高円寺の大均一祭に行く

開店10分前に西部古書会館に到着する。すでにけっこうな人だかりができている。なにせ今日が全品200円均一、売れ残ったものは明日100円均一である。掲示の案内ポスターを見ると半年に1度のイベントらしい。何かミステリーで面白いものはないかと粘ってはみたがこのジャンルでの収穫はナシ。だが本の本関連で一冊嬉しいものを拾う。
・蒐書散書(坂本一敏/季節社)
しかも著者の識語署名入り。数年前から本の本というジャンルに目覚めて(?)棚に並んでいるとつい手を伸ばしてしまう。これまでかなり読んでいるはずだが飽きずにいる。
結局衝動買いしたものも含め計6冊購入。その他にも多少気になるものがあったが(200円なら買ってしまえと言われればその通りなのだが)、今回はおとなしく会場を後にする。明日なら100円で迷わず買えると思うのだがあいにく明日は所用で来られず。古本はやはり時と運である。

古本浪漫洲300円均一を見る

古本浪漫洲とは新宿サブナード地下街で時々開催される(ひょっとしたら定期的なのかもしれない)古本市である。今日のようなすこぶる寒い日には地上に出ることなく駆けつけられる古本市はありがたい。出店規模としてはごくコンパクトながら時折古本らしい古本が安く出るのでできるだけ覗くようにしている。今日からは最後の3日間ということで恒例の300円均一。地下を選んで歩く人が多いためか古本市にも思いのほか多くの人が集まっている。特に料理本、健康本のワゴンは女性に人気のよう。30分もあればだいたい見終えてしまう。
蔵書票の美(樋田直人/小学館)を購入。おそらく箱の汚れのためと思われるが本体は美本で300円なら即決である。内容は「入手方法」や「保存・分類」、「歴史」など本格的(専門的)ながら、図版も豊富でパラパラと眺めているだけでも楽しめる。蔵書票が「紙の宝石」と呼ばれるのもうなずける。

日本のダダイズム

冬休みも今日まで。明日から仕事と思うと気持ちもゲンナリだが、今日は文字通り何の予定もなし。じっくり読書でもと朝から「ソクラテス」(岩田靖夫ちくま学芸文庫)を読み始める。これが実に面白い。論旨(著者の主張)が明確なので読んでいて気持ちが良いのだ。学問的客観性を重んじるあまり著者の顔(主張)が見えてこない研究書は得てして学説の寄せ集めで退屈になりがちである。この本はそういったきらいがなく哲学に関心の薄い人でも十分読み通せる本になっていると思う。  
夕方頃になってやはり少しは出掛けようとスーパーで夕飯の買い物をした後、ブ幡ヶ谷店へ。ここへ来る時はいつもブの斜め前の小林書店もセットで覗いたものだが、残念ながら昨年静かに閉店してしまった。
ブでは30分ほどねばって村山知義の「構成派研究・現在の芸術と未来の芸術」(本の泉社)を見つける。これが800円弱なら安い。これまで直接村山の著書に触れたことはなく日本のダダイズムや伝説の雑誌MAVOについて一端でも知ることができるのではないかと今からわくわくしています。

今年こそは!?

明けましておめでとうございます。
今年こそは更新をまめにしていきたいが自信はないなあ。 
昼飯を新宿で済ませて、一応西口ブの5階、6階をぐるぐるうろうろするも気になるものはなし。少々気に掛かる本があっても値段と折り合いがつかないのだ。諦めてそれからJRに乗って飯田橋のブへ。ここではけっこう買ってしまった。明日までやっている20%オフセールとやらに後押しされて5000円弱も買う。ブでは滅多にいかない額である。今回一番うれしかったのは「藤野一友=中川彩子作品集・天使の緊縛」。帯もついてきれいな状態で2000円弱。表紙の絵に絶対見覚えがあると思って調べたらやはりサンリオSF文庫の「聖なる侵入」のカバーイラストでした。(ちなみにこの「聖なる侵入」もいまそれなりの古書価が付いてますね)
三島由紀夫澁澤龍彦が熱愛した」との帯の惹句も誇張とは思えない迫力ある絵の数々が楽しめます。

みちくさ市出品本の紹介

一点でもお目に留まるものがあれば幸いです。
今回出品本には載せませんでしたがミステリー
も持っていきますのでよろしくお願いします。

北園克衛詩集 思潮社 現代詩文庫
○カバンのなかの月夜 北園克衛の造型詩 国書刊行会 
現代詩手帖 特集:21世紀の北園克衛

○ミシャ アール・ヌーヴォーの美神たち 島田紀夫編 小学館
○サルヴァトール・ダリ ジル・ネレー TASCHEN

○20世紀文化の臨界 浅田彰 青土社
○逃走論 スキゾ・キッズの冒険 浅田彰 筑摩書房
○笑いと逸脱 山口昌男 筑摩書房

○定本三島由紀夫書誌 三島瑤子・島崎博編 薔薇十字社
江戸川乱歩著書目録 名張市図書館
○挟み撃ち 後藤明夫 河出書房新社
○吾輩も猫である 高田保 要書房
○別冊いんなあとりっぷ 完全復刻版・怪奇幻想小説の世界
四谷シモン前編 四谷シモン 学研
○人形作家 四谷シモン 講談社現代新書

○古本の時間 内堀弘 晶文社 著者サイン入り
○本屋図鑑 得地直美 夏葉社
○大衆小説の世界(幻想怪奇・探偵・SF) 荒俣宏他 九藝出版
○ある書誌学者の犯罪 高橋俊哉 河出書房新社
シャーロック・ホームズ万華鏡 北原尚彦 本の雑誌社
○とっておきの本の話 紀田順一郎 実業之日本社
岩波文庫の黄帯と緑帯を読む 門谷建蔵 青弓社
○キマジメ人生相談室 山口瞳 河出書房新社
○古本暮らし 荻原魚雷 晶文社 著者サイン入り
○「絵のある」岩波文庫への招待 坂崎重盛 芸術新聞社
○本棚探偵最後の挨拶 喜国雅彦 双葉社
○本屋の雑誌(別冊本の雑誌?) 本の雑誌社
○翻訳万華鏡 池央耿 河出書房新社

《文庫本》

○大阪文学名作選 富岡多恵子編 講談社文芸文庫
第三の新人名作選 講談社文芸文庫
○金色の死 谷崎潤一郎 講談社文芸文庫
○悩ましき土地 吉行淳之介 講談社文芸文庫
○順番が来るまで 和田芳恵 講談社文芸文庫
○風貌・私の美学 土門拳 講談社文芸文庫
○身心快楽 武田泰淳随筆選 講談社文芸文庫
○雪の下の蟹・男たちの円居 古井由吉 講談社文芸文庫
○海の泡 檀一雄エッセイ集 講談社文芸文庫
○花筐・白雲悠々 檀一雄 講談社文芸文庫
アブラハムの幕舎 大原富枝 講談社文芸文庫
考現学入門 今和次郎 ちくま文庫
○ニッポンの小説 高橋源一郎 ちくま文庫
○明治風物詩 柴田宵曲 ちくま学芸文庫
○明治の話題 柴田宵曲 ちくま学芸文庫
花森安治の仕事 酒井寛 朝日文庫
イザベラ・バードの『日本奥地紀行』を読む 宮本常一 平凡社ライブラリー

今週日曜日(11/16)のみちくさ市に出店します

前回の更新から早くも1ヶ月経ってしまいました。そして今回はみちくさ市出店のご報告です。
今週の日曜日というのに今日やっと準備に着手したところ。あとは平日休みが1回あるのでそこで一気に準備を終えなければならない。おそらくは年内最後の出店になると思うので放出の意味も込めてできるだけ面白い本をたくさん持っていきたいという意欲だけは十分なのだが。いかんせん時間が・・・。
ジャンルは相変わらず文学、ミステリー、本の本が中心。今回は渋めのミステリーをかき集めて持って行きます。本当は多岐川恭とか
結城昌治とか好きな作家はいっぱいいるけれど、みちくさ市のような青空古本市で飛ぶように売れるとも思えない。とか、いろいろ考え始めてしまうとやっぱり時間の問題が・・・。
なんだかとりとめのない内容ですいません。どうにか事前に主な出品本だけでもこのブログで紹介したいと思っていますのでよろしくお願いします。

「出張!モンガ堂」 出品本の一部紹介

今回は準備期間が短く十分な出品本の紹介が叶いませんが、
会場には多数持参する予定ですのでぜひ足をお運びください。

○大きめの本
イラストレーター10 監修中原佑介 宇野亜喜良柳原良平和田誠、他
・白猫亭 追憶の多い料理店 宇野亜喜良 
・ポスターワンダーランド 酒とたばこ
谷根千百景 画・文石田良介
・新洋酒天国 佐治敬三 文藝春秋
・別冊太陽 おまけとふろく大図鑑

○文庫本
梶井基次郎全集 全一巻 ちくま文庫
小津安二郎と「東京物語」 貴田庄 ちくま文庫
・屋上がえり 石田千 ちくま文庫
・思想の中の数学的構造 ちくま学芸文庫 山下正男
・言葉にのって ジャック・デリダ ちくま学芸文庫
エッフェル塔 ロラン・バルト ちくま学芸文庫
・犯罪症候群 別役実 ちくま学芸文庫
第三の新人名作選 講談社文芸文庫
・丘の一族 小林信彦 講談社文芸文庫
・袋小路の休日 小林信彦 講談社文芸文庫
・晩春の旅・山の宿 井伏鱒二 講談社文芸文庫 
・旅の誘い 大佛次郎 講談社文芸文庫
砂丘が動くように 日野啓三 講談社文芸文庫
・巷談辞典 井上ひさし 河出文庫
・大胯びらき ジャン・コクトー 河出文庫
・悪人志願 江戸川乱歩推理文庫
幻影城通信 江戸川乱歩推理文庫
横溝正史角川文庫初版本のバックナンバー